形ある商品を売らないマルチ商法が20代を標的に増加しているらしい。
マルチ商法「モノなし」拡大 SNS悪用、20代標的
仮想通貨や投資、相談10年で倍増-日経新聞
「甘い話は怪しい」と疑うべきところを、仮想通貨や投資で大きく儲けた人たちが取りざたされているために、何となく信じ込んでしまうのだそうだ。
嘘か真か、SNSには「大金を簡単に稼いだ人たち」がわんさかいる。
ほしい情報をほしいときにすぐ取りにいける便利な世の中だけれど、要らない情報もどんどん入ってきてしまう世の中でもある。
仮想通貨、株式投資、ポイント投資だってそうだ。
怪しい投資かどうか、かぎわけるために必要な知識って何だろう。
投資にポジティブだが知識のないZ世代
バブル崩壊やリーマンショックを経験していないZ世代。
40代以上とは真逆の投資マインドを持っているらしい。
ポイント投資やおつり投資など、投資はより身近で手軽にもなった。
心理的なハードル低く投資を始める若者が増えているそうだ。
知るぽるとの金融リテラシー調査の結果を見ても、正答率50%を超えるのは40代以上。
30代は48.8%、18歳~29歳になると41.2%まで下がる。
残念ながら60代以下のすべての年代で、2019年の前回調査を下回っている。
1級FPを持っているわたしが簡易テストを受けてみたところ、「これは難しいだろうな」と思える問題が何問かあった。
というより「知っているに越したことはないけれど、知らなくても致命的ではないよね」と感じる問題があった。
投資に必要な知識って「そうじゃない」感。
まず大切なのは何に投資するか、どんなしくみで値動きするかを知ることだと思う。
投資の知識は「投資先」の知識を持つことから
投資に興味を持つきっかけは「インスタで見たから」でも「友だちがやってるから」でもいいと思う。
興味を持つのはすばらしい。
だからといって、鵜呑みにして始めてはいけない。
フットワークの軽さもすばらしいけれど
- 投資先は何か
- 投資先はどんなしくみで値動きするのか
- 投資先はどんな風に値動きしてきたのか
最低限この3つを調べてから始めるべき。
株なら決算の結果で動くだろうし、輸出企業なら為替の影響で動くだろう。
上がったり下がったりをどれぐらいの値幅でしたきたのか。
上の図は過去5年間のビットコインの値動き。
2020年から2021年のたった1年で3倍以上に値上がりし、2022年にはまた50%近く下落している。
今度はドルと円の値動き。
2022年に3割程度、円安になった。
けれども3割の動きがどれだけ稀かがよく分かる。
仮想通貨とは値動きのしかたも値幅もまったく違うのだ。
「こんなはずじゃなかった」を避けるための知識
投資を始める目的は、お金やポイントを「増やしたいから」だと思う。
増やすよりも優先すべきは「こんなはずじゃなかった」を避けること。
値下がりする可能性があると分かれば、生活費にまで手をつけずにすむだろう。
2022年の円安のように大きく値動きしたときには、チャートを見れば「それまでと比較して異常かどうか」何となくつかめるはず。
もし学校でお金について教えるなら、円高円安とか、複利のしくみとか、需給バランスとか、教科書的な内容は小学校高学年~中1レベルの基礎だけでいい。
「貯蓄から投資」してほしいんだったら、チャートの見方、数字やニュースの読み取り方、売買を判断する目安…実践的な知識を教えてあげてほしいな。