コロナ禍のスパソニで見た希望の記録

日常
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SUPERSONIC 2021

2021年9月19日、20日。

緊急事態宣言が続く千葉県で

音楽フェス「SUPERSONIC」=スパソニが開催された。

今回、2日目に足を運び、肌で感じた会場の空気は

今までに参加したフェスやライブ、前回のサマソニともまったく違い

わたしはそこにひとすじの希望を見た。


夢のコラボ、クラスター無発生、自分自身の心境の変化…。

静かで熱いスパソニ2021。記録としてつづっておきたい。

スパソニ開催までの道のり

例年「SUMMERSONIC」として8月に開催されるイベント、

通称サマソニ。

2020年はオリンピックの関係で9月にずれて

イベント名も「SUPERSONIC」に変更。

でも、コロナ禍で1年の延期に。

2020年分のチケットはそのまま利用できるが、

希望者は払い戻しも可能。

2020年にチケットを買ったわたしは

このチケットを使うころには、世の中どうなっているんだろう

という想いで、1年間見守ってきた。

2021年初の、海外アーティストが来日するフェス。

2020年に出演予定だったアーティストは大幅に変更、

規模も縮小しながら

いよいよイベントまであと1ヵ月。

ところが開催の3週間前になり、

愛知県のとある音楽フェスの惨状があらわに。

お酒の提供、マスクなしで騒ぐオーディエンス…。

「密フェス」と異名がつき、メディアでもたたかれた。

当然、音楽フェスそのものへの風当たりも強まる。

スパソニに関しては千葉県から規模の縮小と延期の要請。

千葉市は後援を取り消した。

さらに航空便の減便や東京-大阪間の会場移動の課題から

大阪会場の中止が決定。

また直前になり複数の海外アーティストが出演キャンセルするなど

開催まで1週間を切っても緊迫したニュースが続く。

いざ、スパソニ -VS コロナの会場内

来場者にはスパソニ公式アプリと

新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」の事前ダウンロード、

本人確認、健康状態のチェック、体温登録などが義務づけられる。

会場やステージに入場する際には手荷物チェックがおこなわれ、

飲みものの持ち込みは水・お茶のペットボトルのみ。
マスク着用は必須、それも不織布マスクでなければ入場できないため

全員にオリジナル不織布マスクの配布があった。

アリーナ席では間隔をあけてイスを配置し、

スタンド席では座席ひとつおきにテープを貼って間隔をとっていた。

喫煙スペースも同様に、スペースをとった灰皿の設置。

すみずみまで「密」を避ける会場設営の工夫が見えた。

静かなる最高潮

フード、ドリンクの提供はあったけれど、お酒の扱いはもちろんない。

そして音楽フェスでありながら、声出しも禁止だ。

とはいえ、ステージがはじまれば熱気は高まる。

18時過ぎにはヘッドライナーが登場、アリーナ席はほぼ満席。

自然とからだは揺れるし、気分も昂揚する。

それでも声を出したり、はしゃいだりする観客はいなかった。

そこには、ライブを見ていても気になってしまう数の監視スタッフ。

マスクを外していないか、声を出していないか、密になっていないか

複数人がつねに見回っていて、どうしてもチラチラ視界に入るのだ。

ライブやフェス特有の没入感がどうにもそがれる。

…今まで経験のない空気感。

ちょっとだけ残念な気持ちにもなりながら、

きっとそれはみんな同じ気持ちだったろう。

会場にいる全員の

「コロナ禍でのクリーンなフェスをつくりあげよう」という一体感が、

たしかにあった。

フェスに似つかわしくない静かな会場で

ものすごいエネルギーがうずまいていて、

終演まで途切れることはなかった。

スパソニで見た夢と奇跡

フェスだけでなく、飲み会や旅行…

いろんな娯楽が制限されて1年半は経つだろうか。

今まで当たり前に楽しめたことが困難になり、

あれもできない、これもできない…が当たり前。

いろんなことにわりと意欲的だった自分の

「なにかやりたい」という気持ちも

どこかへ姿を消してしまって日常の鮮やかさがどんどん失われていた。

そんな中、数年ぶりに参加した音楽イベント。

多くの規制があったものの、奇跡もあった。

出演アーティストのキャンセルによる、プログラムの変更で

EDM好きなら誰もが知る人気DJ3名によるコラボステージが実現。

こんなコラボを日本で見る機会は後にも先にももうないだろう。

今年も無理かとなんども思った夏フェス。

ライブ会場特有の爆音と照明につつまれて

ありえないような夢のコラボが繰り広げられるなか

一心不乱に手を振り、手を叩き、体を揺らし、ジャンプしていると

渇いた「意欲」の湖にどんどん水が注がれていくのを感じた。

わたしには、やりたいことがたくさんあった。今でも、ある。

もうひとつ。

コロナが落ち着いてももとの日常には戻らないとよく言うけれど

ライブに関してはもとに戻ると強く信じたい。

終演、その後

終演後も規制退場で徹底してディスタンスを確保。

驚いたのは、会場から離れたコンビニにまで

スパソニスタッフの姿があったこと。

軽食を買うスパソニ参加者を見かけても

周辺でお酒を飲みながらたむろする人たちは見あたらなかった。

音楽フェス、スパソニに対して

否定的な書き方をするネットニュースが多く、

当日もマスコミ関係者がちらほら。

身の回りにも
「スパソニに行く」と言ったら嫌そうな顔をする人もいた。

なにか起こってしまえば格好のネタになるであろう今回のフェス。

開催から1週間以上経った今でも

クラスター発生はじめ問題となるようなニュースは出ていない。

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